親知らずが引き起こす問題点

来院される患者さんの多くに親知らずの埋伏(歯ぐきに埋まっている状態)があります。親知らずが原因となって起こることで一番の問題はなんでしょうか?
多くは親知らずに気づかれていないか、以前歯医者さんに抜歯を勧められたが「抜歯が怖いから」「腫れや痛みが心配だから」そして「困る症状が無いから」という理由で抜歯をためらって 30歳を過ぎても親知らずが残っていることが日常茶飯事です。
実は親知らずで一番困ることは隣の歯の虫歯や歯周病を起こすことだと思います。
隣の歯は第2大臼歯です。上の写真のように親知らずが寄りかかるように接する後ろの深い場所に虫歯を作ります(黒っぽく写っているところ)。その部分からは容易に虫歯が神経に達してしまいますし、一番後ろの歯の裏側の下ですから 直接視ることが出来ないため 歯科用のミラーの鏡像を見ながら治療するので正確な治療が困難です。ですから、完全な治療のためには 虫歯より上の(虫歯ではない)部分=歯の後ろ1/4~1/3を削り、上から見えるようにしてから虫歯を除去する必要があり、歯に与えるダメージが思いのほか大きくなってしまいます。とくに歯肉より下に虫歯が広がっている場合は虫歯を完全に取り除くことが不可能です。
第2大臼歯は噛み合わせに重要な役割を担う大黒柱ですので、これを失うと前歯までその影響が及び、ドミノ式に歯の問題が起きていきます。若いうちに大臼歯を失うことは 90歳以上の寿命が当たり前になっている今日、人生の大半を思い通り噛めない状態で過ごさなければならないということになります。これが親知らずが引き起こす問題点です。
今は症状はないかもしれませんが、長い人生でとても重要なことですので、出来るだけ早い親知らずの抜歯をおすすめする所以です。出来れば問題が生ずる前に、18歳から20歳代までに治療を受けることが望ましいでしょう。


